CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

改めて問う、設計に役立つ設計支援ツールとは(その7)

・・・詳細設計段階(試作部品図段階)・詳細設計段階(自動設計案件)で欲しい設計支援ツール


詳細設計段階(試作部品図段階)で欲しい設計支援ツール


今現在、絶対多数という意味では、我が国の製造業は2次元図面で物づくりをしている。3次元図面表記方法の標準化が進んではいるが、未だ一部の業種であり、この先10年以上、よほど強い政治的な圧力が無い限り、2次元図面が淘汰されてしまうことはないだろう。

一方、物づくりの為の指示書であり、契約書でもある2次元部品図面には、様々な部品加工に伴う図面表記や、注記が記入されている。これもそれぞれの製造業が持つ、重要な伝承技術の一つだとも言える。

そして多くの製造業において、設計作業が試作出図段階に入ると、物づくりを行うための2次元部品図を作成する。計画図段階での設計作業を3次元で進めてきた場合には、この段階で3次元形状を2次元CAD機能に投影し、2次元図面のベースを起こす流れとなる。

もし3次元的に公差の追込みが検討されてきた場合には、その結果を寸法・幾何公差として記入し、従来の類似部品に倣った、図面表記を記入することになる。3次元的な公差検討がなされていなかった場合には、従来製品や部品図を参考に公差検討を行った上、公差を記入する。

併せて、計画図段階では充分に追い込まれていなかった、物づくりのための、細かい部品設計作業が、この段階で行われるのも一般的だ。既に3次元段階で検討されたような、重要部位を除く曲げRの大きさや、そりひけ防止の肉盗み付加など、詳細部分の設計作業である。

そして多くの製造業では、この段階で図面に織り込まなければならない設計要件は、そのほとんどが標準化されており、よほどズボラな製造業でない限り、この段階は、先に挙げた3つの“大きな無駄”を生じさせる原因とはなっていない。

・・・と言いたいところだが、実は量産立上げ段階での無駄や、発売後のクレームによる無駄には、この段階でのケアレスミスが、この後に続く生産準備段階でも見逃され、何割かの割合で悪影響を与えてしまっている事実がある。このため本来なら、3つの“大きな無駄”を生じさせる原因とはなり得ないこの段階も、ケアレスミスの撲滅という観点で注力する必要がある。

また、将来的に部品図の3次元化が進んだとしても、部品としての詳細設計や図面表記の作業は、全くその内容を変えることなく継続しなければならない内容だ。そのため、この段階で生じさせるケアレスミスは、例えその道具(CAD)が変わっても、何らかの手を打たない限り生ずることになる。技術的には、些細な問題ではあるが、何らかの形でその根絶に努めなければならない問題といえよう。

このような観点から診て、この段階での設計作業を、質高く円滑に進めさせることができる道具の要件を、以下に列記する。




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詳細設計段階(自動設計案件)で欲しい設計支援ツール


一部の製造業では、ルーティンワーク的な設計作業をルール化して、半自動的に設計作業を行わせる仕組みを持っている。自動設計と呼ばれる仕組みだ。

筆者は、30年以上前から設計の自動化に取組み、様々なチャレンジを行ってきた。当初は、人工知能を駆使して、人間が行う設計作業に取って代わろうとする、途方もない目論見を持っていた。しかし思いの外、コンピュータ能力の進化や、人工知能技術の進化がはかばかしくなく、壮大な目論見は途中で頓挫した。

せっかくPTCなどから自動設計の道具として、パラメトリック・フィーチャー機能を持ったCADがリリースされたのだが、本格的な自動設計システムの構築は、当分無理とギブアップした。20年ほど前の話である。

しかし、重要な設計判断をベテラン設計者達のスキルに任せる形態での、半自動設計システムなら、PTCなどの道具を用い、容易(短時間に手間を掛けずにという意味ではない)に構築することができた。そして数多くの製造業で、その構築を筆者は手がけてきた。

しかしあくまでもニッチマーケットの、設計半自動化システム用途のCADでは、その商売が成り立たないCAD開発元は、本来の目的を置き去りにした方向での設計ツールとして、それぞれの商品を進化させ、半自動設計システムを構築するだけの目的では、無用な機能満載のCADに進化してしまった。

またCADのバージョンアップがただ新機能の追加だけなら良いのだが、コマンド階層の変更や、オペレーション内容の変更が伴う場合が多く、折角構築した自動設計システムの大幅メンテナンスを余儀なくされる。

このため筆者の支援先などは、10年以上前からCADのバージョンを凍結して、構築済みの半自動設計システムを使い続けているのだけれど、それを稼働させるワークステーションに問題が生じている。初期に取り組んだ製造業は、UNIXワークステーションを用いているために、既に部品取りのワークステーションも枯渇した状況にある。

Windowsの場合は、少しは状況がましだが、全く問題がないわけではない。セキュリティー的に対応をして貰えたり、セキュリティーディバイスを認識するタイプのCADなら問題ないのだけれど、インストールしてあるPCでなければ使い続けることのできないものもある。この場合は、PCを修理し続ける必要があり、その対応に苦心している。

そしてこのような用途で、半自動設計システムを質高く構築でき、ハードウエアーやソフトウエアーのバージョンの制約もなく、未来永劫使い続けることができる道具の要件を、以下に示す。




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